Fathomの「借入FXD」のメリットは?デメリットは?
こんにちは、マスオです。
XDC上で今後中心的な役割を担うであろう「Fathom」
その中心的な機能は「XDCを担保にしてステーブルコイン FXD を発行すること」にあります。
しかし、ここである疑問がわくかもしれません。
担保にする=借入する、ということですが、わざわざこのような仕組みにする必要がどこにあるのか。
FXDであればBitrueやその他DEXでも入手できます。
FXDを借りるメリットが見出せなければ、この仕組みは流行しないのでは?
果たして FXD を借りたい人は誰なのか?それを調べた範囲で少し説明してみたいと思います。
誰がFXDを借り入れる?
今のところの整理で簡潔に言うと、結論
「 XDC をガチホしながら利回りを得たい人」
と言えます。
これは喩えて言うと
「所有する不動産を手放したくない資産家が、その不動産を担保に入れることで新たに資金を手に入れ、資産運用を行うことができる」
こういうケースと類似します。どういうことか、Fathomを使うと
「所有するXDCを手放したくない投資家が、そのXDCを担保に入れることで新たにFXDを手に入れ、資産運用を行うことができる」
ということです。
要するに、XDCの値上がりの恩恵を受けつつ、変換したFXDによって年率数%の利率を得る、ということです。
これで理解された方もいらっしゃるかもですが、もう少し噛み砕いてみます。
以下の2つのケースを想定してみます。
❶ Bitrue等で購入した FXD
❷ Fathomで借りた FXD
この場合、仮に
現在のXDC価格:0.05ドル
1年後のXDC価格:0.1ドル
FXDのVaultでの運用利率を年率5%
という条件で考えてみます。
まず
❶ Bitrue等で購入した FXD
これを Fathom に預けて運用すると
1年後、100FXD→105FXD(5ドルの利益)
つまり、5ドル分
定期預金くらいの利息がつきます。(うれしい😊)
一方、
❷ Fathomで借りた FXD
これを Fathom に預けて運用すると
1年後、100FXD→105FXD(5ドルの利益)
同様に定期預金のような利息がつきます。
が、ここからがちがいます。
仮に1年間運用した後 FXD を返却したとすると
XDCが返却されますが、そのXDCはというと
先ほどもお伝えした通り想定ケースでは
1年後の1XDCは「0.05ドル→0.1ドル」
でしたので、XDC値上がりの恩恵も受けます。
具体的に数字で見ると、
仮に借入当時の条件が以下だったとします。
「担保5000XDC→借入100FXD」
このレートで借入していた場合、
1XDCあたり0.05ドル(0.1ドル-0.05ドル)の利益
0.05ドル×5000(XDCの数)で250ドルの利益
利益を二重取りしているということです。(もっとうれしい😊😊😊)
つまり、❷を借入した FXDでは
「FXDでの運用利益+XDCの運用利益」
二重の恩恵を受けることができるということです。
まとめると、
❶ Bitrue等で購入した FXD、の場合
FXDの運用(インカムゲイン)のみ
❷ Fathomで借りた FXD、の場合
1.FXDの運用(インカムゲイン)
2.XDCの運用(キャピタルゲイン)
となります。
以上、❷の借入したFXDのメリットが確認できたかと思います。
が、デメリットは何か?も考えるべきです。
例えば、以下の2点があげられます。
・XDCが大きく値下がりした場合、清算イベント発生の可能性(借入時の過剰担保分がマイナスになる価格を下回った場合)
※以下であれば「$0.038163」を下回った場合を指します
・返却時に借入額に対して年率2%の利息(安定手数料)として支払う
要するに、
XDCの上昇局面を想定した場合に、このFXD借入の恩恵をさらに受けることができる
ということです。
これを聞くとこんな発想をする人もいるかもしれません。
「担保で借入したFXDを使ってさらにXDCを入手してもいいの?」
どういうことか。
例えば借り入れたFXDをFathomの「Swap」でXDCに替えることができます。
つまり、借入で得た資金でさらに多くのXDCを入手できるということです。
具体的な運用例を紹介します。
① 5000XDCで100FXDを借り入れる
② その100FXDを2000XDCに交換する
③ その2000XDCを担保に40FXDを借り入れる
④ その40FXDをVaultに預け入れる
これによってどんなメリットが得られるのか。
先ほどと同じ条件で1年後に得られる利益はこのようになります。
0.05ドル×5000👉250ドル+
0.05ドル×2000👉100ドル (+FXDの利回り)
XDCの値上がりの恩恵を二段階で受けるということです。
さらには
0.05ドル×5000👉250ドル+
0.05ドル×2000👉100ドル+
0.05ドル×800👉40ドル (+FXDの利回り)
みたいなことも可能ということです。
これは少額のお金で大きな利益を狙う「レバレッジ取引」のようなもの
それがFathomでは可能ということです。
(もちろん値下がりすれば「清算リスク」が発生しますので、損失が膨らむ点はご承知置きください)
以上、今回は「借入FXD」にはどんな需要があるのか、について取り上げてみました。
ここでお伝えしたいことは、ハイリスク取引にチャレンジしましょう、
ということではなく、レバレッジ取引をしたい人は世の中にわんさかいて、
それがステーブルコインという価値が安定した資産で行える、
この魅力的な運用がXDC上のDeFiで可能ということです。
Fathomでは個人投資家のみならず機関投資家も対象としており、すべての投資家がFXDを借り入れるかは分かりません。
Vaultで、堅実に年利数%の利回りを得ることにもニーズはあるでしょう。
とはいえ、FXDのニーズは、XDCが安全な暗号資産と認められ、将来性が高いと思われれば思われるほど増えていきます。
また、XDCは貿易金融を求める企業のニーズを開拓していますので、FXDはそのような実需によっても借入が増えていきます。
(FathomはTradeFinexという貿易金融プラットフォームにFXDを貸し出しています。)
総じて言うと、ステーブルコインFXDは幅広い投資家のニーズと企業の資金調達ニーズに応えられる点に魅力があると言えそうです。
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マスオさんこんにちは。
いつも有益で分かりやすい情報ありがとうございます。
1点ほど質問があります。
FathomでFXDを借りて運用して、利益を得てXDCに交換した場合、仮想通貨を売買しているのでは無いので税金は掛からないのでは?と思いますがどうなのでしょうか?個人投資家に対する税制改正がされていないので、FXDで色々と楽しめそうなのでやってみたいのですが、税金の事が分からず足踏みしてます。
ご教授下さい。
よろしくお願いします。
ご丁寧にありがとうございます。
私は税理士ではないことを前提にお聞き頂ければと思いますが、
・FXD借入でXDCを入手し売却して得た利益→通常通り利確扱いで税金発生
・Vaultで得た利益→通常のステーキング同様税金発生
というのが妥当かと思います。
ただ借入FXDのメリットは、ガチホすると決めた担保分のXDCは売却せずに運用できることにあります。
このXDCは売却していないので利確扱いにはならない、ということです。
これまではXDCを担保にすることはできませんでした。
そのような運用が可能になるという一点について税務イベントを回避できる
ということが言えそうです。これは現時点での私の解釈なので、ご参照ください。