【知っトク】暗号資産・Web3業界 トレンドワード5選(2024.9.11)vol.❶

こんにちは、マスオです。

こちらは暗号資産、Web3関連のニュースを独自目線で振り返る、不定期連載のブログ記事となります。

あふれる業界のニュース記事を追う中で、右から左に情報が流れてしまいがち。そこで、最近のニュース記事にも挙がっていた注目のキーワードを切り口にして解説をします。

これにより、ご視聴いただく方にとっても、発信する私にとっても学びの要素が得られればと思いお届けします。どうぞお付き合いください。

キーワード❶「Project PAX」

(意味)

Progmat が Datachain および TOKI と協力して開発する、コルレス銀行の代わりにステーブルコインを使用することを目的とした国際決済システムプロジェクトの名称

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(記事クイックテイク)

・今回SWIFTの既存のインフラと統合して日本のメガバンク3行が「Project PAX」実証実験に参加を表明。

・これにより、コンプライアンスとマネーロンダリング対策 (AML) の要件に対処しながら、より速く、より安く、より安全なクロスチェーン決済を可能にするとのこと。

・このプロジェクトでは、日本円や米ドルなどの主要通貨に固定された、Progmat Coin基盤で規制に準拠した形で発行されるステーブルコインを使用し、2025年までに商用化を計画。

<補足>

👉Progmat Coin上のステーブルコインは将来的にイーサリアム互換チェーン、Corda、Cosmosを含む複数のブロックチェーンを繋げるものになる。

👉Cordaについては、ProgmatがDatachain社と長い間協力しCordaエンタープライズブロックチェーンとの接続を目指してきた。

👉Datachain社はさらに「TOKI」を設立し、ステーブルコインをDeFiスタイルで多くのブロックチェーン間で流通できるように取り組んでいる。※TOKIは次トピックで紹介

👉このプロジェクトはこれまでの銀行利権を覆すことにもなりかねないものだが、SWIFTがパートナーになったことで、その利権を超えた強い引力がはたらいているようだ。

👉SWIFTと言えば、ISO20022。ステーブルコインと不正を許さない送金システムを組み合わさることで、より先進的なシステムになることを目指すこともできるが、記事内にISO20022についての言及はない。

キーワード❷「TOKI」

(意味)

コスモスエコシステムのクロスチェーンブリッジ技術を利用して、サークル社のCCTPのように複数のブロックチェーン間でトークン転送を可能にするインフラを提供するプロジェクト。

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(記事クイックテイク)

・TOKI(トキ)は、クロスチェーンブリッジ技術を用いたインセンティブ(=エアドロップ)テストネットを2023年9月2日に発表した。

・このテストネットでは、イーサリアムとBNBチェーンのテストネット間でトークン転送が可能で、2025年第1四半期にメインネットのローンチが予定されている。

・今後、テストネットとメインネットの両方でプロジェクトに貢献することでTOKIのトークンのエアドロップ機会を得られると予告されている。

<補足>

👉TOKIは、三菱UFJ信託銀行が推進するステーブルコイン発行管理基盤「Progmat Coin」と提携しているが、前述の通りステーブルコインのクロスチェーン取引を可能にするインフラを構築しようとしているもの。

👉TOKIとProgmatがねらうことは、サークル社のUSDCが多くのチェーンで展開するCCTPの仕組みのように、Progmat上のコインもチェーン間で1クリックのネイティブトークンスワップを可能にしようとしている。

👉現在、Corda含む以下8つのチェーンへの対応を目指していくとのこと。

👉なお、エアドロップについては現在以下のように説明されている。

今回のテストネットは「インセンティブテストネット」とある通り、貢献者にはTOKIからトークンエアドロップの機会が与えられる。ロジックハックや不要なトランザクション量を避けるため、現時点ではエアドロッププログラムの具体的な基準は公開しないとのことだが、テストネットとメインネットの両方でアプリケーションに貢献し続けることで、その機会が獲得できると示唆されている。

テストネットでトークン転送を行うには、ガス代となる「ETHおよびBNBのテストネットトークン」をAlchemy、Google、BNB Chainが提供する外部のFaucetページから取得し、TOKIのFaucetページから転送テストの対象トークンとなる、両チェーンの「デモトークンのUSDCおよびUSDT」を取得する必要がある。

キーワード❸「World Liberty Financial」

(意味)

ドナルド・トランプ氏と家族が関与するDeFiレンディングプラットフォームの名称。

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(記事クイックテイク)

・同プロジェクトリリースの目的は、分散型金融(DeFi)市場において、安全で革新的なレンディングプラットフォームを提供し、ユーザーが分散型の借入と貸付を効率的に行える環境を整えること。

・安全とはいうが、かつてフラッシュローン攻撃を受けたDeFi「Dough Finance」のコードを使用していることも話題。

・また、発表された独自のガバナンストークン「WLFI」も話題で、トランプ氏の家族が各役割で関与しているようだが、このトークンは非転送可能な仕様だと発表され、投機目的の取引を抑制するとも語られている。

・これにより、DeFi融資市場の拡張や新しいブロックチェーンの統合を提案・投票できるプラットフォームを目指しているという。

<補足>

👉とはいえ、このDeFiは大統領就任後の、次世代金融システムとして用意しているとも言われ、その中身は「ステーブルコイン」と「DeFi」だ、と以下公式Xアカウントで語られている。

(翻訳抜粋)

私達のミッションは明確です。それは、ステーブルコインと分散型金融(DeFi)の大衆化を推進することで、暗号通貨とアメリカを偉大なものにすることです。私たちはDeFiが未来であると信じており、誰もがアクセス可能で安全なものにすることに全力を注いでいます。

ステーブルコインが重要な理由。 私たちは、米国に連動したステーブルコインが今後100年間、世界の決済レイヤーであり続けることを望んでいる。 米ドルは何十年もの間、世界金融の基軸となってきたが、今や外国の国家による攻撃を受けています。

乞うご期待! これは始まりにすぎない。 我々は勝つために、そしてゲームを変えるためにここにいる。 DeFiを、そしてアメリカを再び偉大なものにしよう!

👉つまり、トランプ氏はビットコインにとどまらず、世界のDeFi(分散型金融)推進・ステーブルコイン推進の旗振り役を担うものとみられる。

👉このプロジェクトは、米国のDeFi普及を促し、2025年の大統領選挙後の金融市場を大きく左右する可能性がある。

👉また、債務上限問題がつきまとう米国において、CBDCではなく、ステーブルコインが国を安定化させるものになるかもしれない。

👉ただ、当面は以下のような話題に誘導されるかもしれない。

キーワード➍「SuiPlay0x1」

(意味)

Suiブロックチェーンの開発元、Mysten Labsが発表した、世界初となる携帯型Web3ゲーム対応ゲーム端末

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(記事クイックテイク)

・ブロックチェーンSuiを運営するMysten Labsは、Web3ゲーム対応のポータブルゲーム機「SuiPlay0x1」の先行予約販売を開始した。

価格は599ドルでSUI、SOL、ETHで支払い可能2025年上半期に出荷予定。

・このゲーム機は、AMD RYZEN 7 CPUや16GBメモリなど高性能なハードウェアを搭載し、PC版とモバイル版のWeb2およびWeb3ゲームに対応した独自の軽量ゲームOS「Playtron GameOS」を採用しており、DePin製品としても注目されている。

<補足>

👉SuiPlay0X1は高すぎると言われているようだが、スペックからすると安い、との声も。

👉最初の1000台までSBT(ソウルバウンドトークン:非譲渡トークン) "Eternal"Mythics がもらえるらしく、エアドロップの対象になる可能性がある。

👉スクエアエニックスが公式コラボをしている点も注目。暗号資産がもらえるドラクエやファイナルファンタジー、という世界線も近いか。

キーワード❺「Adhara」

(意味)

銀行間のブロックチェーン技術を提供する企業で、Corda基盤で作られている「HQLAᵡ」や20のグローバル金融機関が支援する「Fnality」のトークン化決済ソリューションを提供している。

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(記事クイックテイク)

・Adharaは、主にプライベートおよびパーミッション型ブロックチェーンを活用して、各金融機関が自社の要件に応じて利用できるソリューションを実現している。

・特に、中央銀行や大手金融機関向けのプロジェクトに特徴があり、トークン化預金、CBDCなど、他の独立したソリューションも提供している。

・同社は、Cordaブロックチェーンの開発元であるR3と共同で立ち上げたブロックチェーン相互運用性ソリューション「Harmonia」に取り組んでいる。これは金融業界における取引効率向上、デジタル資産の利用範囲拡大を目的としたもの。その際、AdharaはEthereumベースの技術を使用し、Cordaとのブロックチェーン間の相互運用を実施。

・今回提携したOwneraは、「FinP2P」という株式や債券などの資産のトークン化、取引、決済プロセスの簡素化する技術を提供している。

・「FinP2P」はルーティング技術であり、金融機関が1つのブロックチェーンで資産を購入したものを、別のブロックチェーンで金銭で決済することを選択できる。複数のブロックチェーンを接続するのではなく API を介している。

・なお、この「FinP2P」は、JPモルガン、 R3、カントンネットワーク(プライベートチェーン)との提携を通じて、さまざまな機関ネットワークやパブリックブロックチェーン間の取引をサポートしている。

・Adharaはこのたびの発表で「Harmonia」と「FinP2P」の両方をサポートすることになり、金融機関の採用するインフラ競争で一歩前進を見せた。

<補足>

👉これらのプロジェクト推進を見ると、1つの結論として「金融機関にとってトークン化資産はパブリックチェーンが主流にはならない」ということが言える。

👉暗号資産市場では「パブリックブロックチェーン⇔パブリックブロックチェーン」の相互運用が語られるが、すでに先行しているのが「プライベートブロックチェーン⇔プライベートブロックチェーン」であり、これから「プライベートブロックチェーン⇔パブリックブロックチェーン」に焦点が当たることは、以下の過去記事でも触れられている。

👉今回のAdharaとOwneraの提携は、金融機関プライベートチェーンとパブリックブロックチェーンの接続を円滑にするもの。

👉暗号資産、特にRWAに張って投資する立場の人は、この分野に注目する必要がある。

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