Weekly XDCダイジェスト vol.110 (2024.5.19-6.1)
(👆2024年4月の「トレンド分析」特集動画です)
(👆2024年1月の「業界優位性」特集動画です)
(👆2023年10月の「ユーティリティ」特集動画です)
(👆レイヤー1「XDC」、それとタッグを組むオラクル「PLI」👇解説動画)
こんにちは。今回は定期コーナー。XDCネットワークの動向についてファンコミュニティの一員として、私が勝手に日本語で解説を加えながら定期発信するブログになります。
仮想通貨XDCについてまとめた内容、情報の共有程度に見ていただけたらと思います。ではさっそく参ります!(内容にご指摘あればコメント欄等で😊)
Topic.❶……SBIグループとXDC Network、R3 Cordaとの連携PoCが無事完了
【補足】
👉2023年12月に発表された、パブリックブロックチェーンXDC・プライベートブロックチェーンCorda 間のブリッジ(通貨移転)が成功に終わったとのこと。
👉Cordaはもともと決済機能を持っていないですが、XDCを使うことでそれが可能になります。
👉この図の上部では通常のXDCの流通を表し、下部ではCordaのwXDC〈Wrapped(包まれた)XDCと同価値のトークン)〉の流通を表しています。
👉それをImpelのCorda Bridgeで切り替える仕組みです。
👉下部のCordaでは、ある企業のwXDCをバーン(消滅)させて、別の企業でwXDCをミント(生成)することで決済を行います
👉つまり、XDCがこのCorda環境で稼働することで、多くの流動性をもたらす、ということ。
👉Corda上のXDCの法定通貨(Fiat)への交換は、SBI VC Trade と SBI Alpha(SBIの暗号取引部門・マーケットメーカー)が窓口になるとのこと。
👉今回の実験成功によって、次の段階に移行します。その次段階とは何か。
👉Corda Bridgeを提供する Impel のCEO・Troy氏はこのようなことにも触れています。
👉Walter Blueu氏もこのように触れています。
👉次は、Fathomのステーブルコイン $FXD がCorda Bridge で試験される、と予想されます。
Topic.❷……XDC ネットワーク が 2024年6月1日で 5 周年を迎える
【補足】
👉5周年を迎えたXDCネットワークについて、これまでの歩みが以下の記事でまとめられています。
👉4年目は SBI、ETDA、RWAなど多くのトピックで進捗を伝え、5年目にはTradeFinex、DAOFINなどを取り上げています。中でもインパクトが強かったのは以下の記述。
👉はっきりと「BlackRockが支援する4つのブロックチェーンの1つ」と書かれています。
👉他にもたくさんのマイルストーンがこの記事にまとめられていましたが、以下のようなトピックも取り上げられていました。
(翻訳)暗号通貨界で最も強力なコミュニティを紹介
👉以下はこれまでのエコシステム進捗マップ
Topic.❸……UNESCAP 主催の Paperless Trade Week 2024 で、XDC Trade Network CEO の Sunil Senapati が講演
【補足】
👉XDCプロジェクトの中で、世界的なデジタル貿易の法規制「MLETR」準拠の貿易を推進するXDC Trade Network のCEO・スニル氏が国連下部組織の会合で登壇。
👉ESCAP(アジア太平洋経済社会委員会:バンコク拠点)とは、国連 の経済社会理事会が設置する5つの地域委員会の一つ
👉今回開催する『Paperless Trade Week 2024』というイベントで スニル氏は、同じDNIイニシアチブで関わりの深いデジタル文書ソリューション「Enigio」のCEOらとともに登壇しました。イベントの主旨は以下のとおり。
👉当日の登壇資料をBelleさんがアップしていたので、拝借して翻訳します。
👉この資料の中で特に注目したいのがこちら↓
👉以前は取り扱うMLETR準拠文書ソリューションはYodapusの「DocuTrade」のみでした。しかしこちら、さらに増えているのが確認できます。
👉これは、ユースケースの拡大を意味します。なぜなら、貿易をしたい企業にとって文書ソリューションは“窓口”だからです。
👉DocuTradeはインド拠点の製品ですが、他のソリューションはまた別の法域を扱います。(詳細は次回・第111回にて)「ご期待ください!」とのこと。
Topic.❹……Fathomのステーブルコイン $FXD が 金($CGO)と $XDCに裏付け可能に
【補足】
👉 XDC上の主要DEX・Fathomで発行されるステーブルコインFXDの裏付け資産として、これまで「$XDC」を裏付けとしてきましたが、これに続き、Comtech Gold社が発行する金(ゴールド)連動トークン「$CGO」が加わりました。
👉これはステーブルコインFXDをさらに堅牢にする仕組みのはじまりです。しかも実際の実物資産の王様・ゴールドに価値が連動するトークンであることは、FXDの信頼性を高めます。
👉「XDCだけを担保にした方が、XDCの価値は高まって良いのでは?」という意見も聞きますが、これは逆です。なぜなら、XDCは暗号資産ですので、大きな価格変動に晒されることは否めないからです。
👉FXDに安全性が増せば、ますますユースケースが増え、XDCの信頼性も高まります。
👉なので、これをFathomがDAOで決断したことは今後大きいと言えます。
👉しかも金(ゴールド)というのは保有してもそれ自体が利回りを生み出すことはありません。しかし、ゴールドを預けながら、FathomのVaultに預けると利回りを得られます。つまり、金(ゴールド)保有者にとっての有効な運用先を提供します。
👉最近USDTを発行するテザー社も、金トークンを担保にした米ドルステーブルコインを発行しました。これは通貨の信用を米国に依存せずに、米ドルを表すもの。つまりFathomのFXDに似た設計です。しかし、それと比べたFXDの利点は、プログラム上で管理された透明性の高い仕組みを持つことです。(テザー社の担保資産は未だ透明性が低いのです)
👉もう1つFXDの利点は、貿易金融に使われる、というユースケースにあります。今後のFXDの用途拡大に期待をしたいと思います。
Topic.❺……Fathom・FXDステーブルコインの流動性を強化するKima Networkとのパートナーシップを発表
(翻訳)Fathom との最近のシナジーをご紹介できることを嬉しく思います。
- ユーザーが XDC トークンまたは RWA 担保を預けることができる分散型流動性プラットフォームと、ユーザーが XDC トークンまたは RWA 担保を預けて Fathom のステーブルコイン FXD を借りることができる流動性プロトコル。
📢このパートナーシップでは…
🔥Fathom のプロトコルは、Kima Network の相互運用性を Fathom エコシステムに組み込み、ユーザーが複数のブロックチェーン間でシームレスで安全な取引を行えるようにします。
🔥Kima は、さまざまな資産やチェーンに依存しない単一の流動性ソースを作成することで、Fathom の RWA エコシステムの流動性を強化します。
【補足】
👉プレスリリースは以下のリンクで確認できます。
👉このパートナーシップについてFathomの非公式DAOを運営する「xxxxx」さんがKima Network との提携理由、考えられる可能性について、詳細に考察されています。
👉内容をまとめるとおもに4点
・最大主流のETHエコシステムとの接続(主流からの流動性を獲得)
・ブリッジ/ラップが不要(高い便利性、ユーザーの獲得)
・ $FXD と $USDT / $USDC 間の転送(他ステーブルコインからの流動性を獲得)
・裁定取引トレーダーの取込(新たなユーザーの獲得)
👉他にもKimaはこのようなプロジェクトを進めています↓
👉Kimaは非常に強力なパートナーであることは、以下からも垣間見られます。
Topic.❻……記事「NFT の復活には何が必要でしょうか」にXDC財団トップ・ビリー氏のコメントが掲載
【補足】
👉ビリー氏は「RWA = 新しいNFT 」と語り、NFTの所有が投資商品の担保として使用できる、NFTは金融商品において復活を遂げる、と説明しています。
👉ビリー氏が指す「NFT」とは以下、トピック❷で取り上げた5周年記事でいうところのこの機能と見られます。NFTの利点は「所有権」を証明できることです。このNFTがあることで、それを担保に貿易をしたい企業が借り入れをスムーズに行えます。
👉ここでNFTにするものというのは、請求書や信用状のような、貿易金融書類です。
👉さかのぼると、2021年にすでにTradeteqが以下の取り組みを行っています。
👉そして、最近では、それらNFTを新たな技術を使って細分化が可能になっています。(これは1つのNFTを1/1000単位で分割して扱える、というものです。)
※参照記事
👉以上、要するにはNFTは貿易金融をさらに普及させるための技術としてXDCでは扱っていく。NFTはオワコンではなく、「機能」として現実世界に利用可能なもの、ということでした。
Topic.❼……UAEの・SRTI Park主催イベントに、Plugin が中国の江蘇省 Tuspark イノベーション研究機関に対して分散型オラクルとユースケースを紹介
【補足】
👉UAEのSRTI Park主催イベントで、Plugin が中国の江蘇省 Tuspark イノベーション研究機関に対して、分散型オラクルとユースケースを紹介した様子だそうです。
👉SRTI Parkとは、「Sharjah Research, Technology & Innovation Park(シャルジャ研究技術イノベーションパーク)」の略で、イノベーションとコラボレーションの世界的な拠点とのこと。
👉このTusparkとは何か。
👉清華大学は日本で言うところの東京大学、つまり中国の最高学府。今回はその中でも「江蘇省 Tuspark Innovation Research Institute」の著名な代表団がUAEに来て、Pluginの分散型オラクルを紹介したとのこと。
👉また、TusParkは英国やベルギーなど、国外拠点を持っています。
👉Pluginがこのようなプレゼンテーションの機会を得ていることは注目に値するところ、と言えそうです。
Topic.➑……Pluginが Foundershipアクセラレータ主催のXスペースにてインタビューを実施
【補足】
👉こちらの様子をShambataさんが日本語に翻訳してくださり、非常に読みやすいです。
👉Pluginの出自、創業チームのバックグラウンド、トークノミクス(トークンの扱い)、運営方針などに触れています。ぜひPLIホルダーはお読みください!
Topic.❾……XDCPay 3.0のベータ版が登場
【補足】
👉「XDCPay」とは、XDCネイティブに作成されたメタマスク互換のあるウォレットです。
👉これまで、「XDCPay(1.0)」「XDCPay(2.0)」と登場しましたが、どちらも現在課題を抱えている状態とのこと。
👉XDC上のウォレットに懸念点があったところに、このXDCPay 3.0がGoogle検索に登場していましたので、シェアしました。
👉しかし、ウォレットが本物であるかどうか、ということも含めてこの使用については慎重になるべきところで、CoinCowARTさんがXDCエンジニアのラジ・シャー氏本人に尋ねてくださいました。
👉結果、このXDCPay 3.0は本物である、とのことで、「バージョン11.16.0」を待ってくださいとのことでした。
👉メタマスクを使いたくない、というニーズは一定数あるので、そこに応えられるウォレットの登場に期待します。
(追記:6月17日に新バージョンに更新されました。これについて、ラジ・シャー氏からこのようにご返信いただきました)
🎊おまけ🎊……XDCを使ったカード決済
【補足】
👉こちら、Upholdという取引所が発行する暗号資産デビットカードを使って、XDCを使った小売店決済を実演した動画です。
👉XinFinのSonny氏がご自身でLinkedinに挙げた動画になります。
👉実際にはXDCを英ポンドに両替してチャージする、という手順を踏んでおり、Upholdデビットカードを持っていれば、XDCに限らず実行できるというもの。
👉ですが、この動画を挙げるということで話題となる点で1つのマーケティングとして有効と思いピックアップしました。XDCがマーケティングに注力することは早期に求められていることだと思います。
🎊おまけ🎊……2020年の新聞記事
【補足】
👉こちら2020年7月コロナ禍での貿易金融デジタル化に関する記事。
👉この見出し記事にある「三井住友銀行は海外のフィンテック企業と組み・・・」は、R3と見られます。以下は、本ブログのトピック❶で取り上げたSBIホールディングスの記事の抜粋ですが、以下に「SMBC(三井住友銀行)の支援を受けながら」とあります。
👉R3とXDCが提携を発表したのは2021年3月です。SBI R3 Japanは2019年に設立されています。SBIが日本におけるCordaの窓口になり、それを三井住友銀行が支援しています。
👉SMBCと言えば、英国SMBCのSean Edwards氏がITFA (国際貿易没収協会)の会長を務めています。
👉そのITFAが発足させたデジタル貿易の普及団体がTFD Initiative です。(XDCもここに唯一のパブリックブロックチェーンとして参加)
👉これまで三井住友銀行が支援してきた貿易金融プラットフォーム「Contour」「Marco Polo」が閉鎖し、SBI R3 Japanを支援中とのことからも、XDCとSMBCの距離が縮まっています。(ので今後に期待)
今回の内容は以上です。バックナンバーもぜひご覧ください!
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