Weekly XDCダイジェスト vol.㉛ 2022.10.2-8
こんにちは。今回は定期コーナー。先週のXDCネットワークの動向についてXDC Foundationがまとめた下のツイートをもとに、日本語で私なりに解説を加えながら定期発信する回になります。
仮想通貨XDCについてまだ知らない方の入口にしていただいたり、すでにお持ちの方は最新動向を追うための1つの情報源にしていただけたらと思います。では先日発表された10月2日から8日までの動きを紹介していきます。ではさっそく参りましょう!
《THIS WEEK IN XDC (2022.10.2-8)》
今回は3つのトピックがありました。太字が直訳部分、その後にわたしが僭越ながら解説を付け加えていきます。
▶▶▶Topic.❶『XDCネットワーク、LDAキャピタルから5,000万ドルを確保』
….XDCネットワークは、エコシステムの発展を促進するために、LDAキャピタルから5,000万ドルを調達した。この資金は、個人および機関投資家の間でネットワークの普及を促進することに焦点を当てた新しいベンチャー企業や事業体を支援するために使用されます。
今回XDCが出資パートナーとなったのが“LDA Capital”という米国ロサンゼルス拠点のプライベートエクイティ投資会社です。
“プライベートエクイティ”系の投資会社というのはヘッジファンドとは少し違って、機関投資家や個人投資家から集めた資金を、将来性のある企業の未公開株段階の取得に使いつつ、その企業の経営に深く関与するのが特徴だそうです。
LDA Capitalは現在世界43か国で250以上の企業と取引し、これまでの総取引額が110億米ドル超、という実績があります。
LDA Capitalの投資ポートフォリオは多義に渡っていて、以下はホームページの抜粋ですが、不動産、バイオ医薬品、リチウムイオン電池、水素燃料、農業、食品、貴金属採掘、鉄鉱石、人工知能、IoT、サイバーセキュリティなどがありました。
特に最近の投資分野は、ブロックチェーン、ソフトウェア、情報技術、暗号通貨、モバイルがあり、今回のXDCもその一環で巡り合っています。
XDC Network以外にもブロックチェーン関連で言えば、シンガポールのDeFi関連企業『Meta Bank Defi』、フィンテック企業の『Lightnet』、ブロックチェーンゲーム『Aftermath Islands』、レイヤー1ブロックチェーン『RubiX Networks』、ソフトウェア企業『SingularityNET』などに出資していました。
今回のパートナーシップについて、XinFin創業者のお二方はこのようにコメントしています。
Ritesh Kakkad氏は
「LDAとのコラボレーションは、これまで以上にTVL(=プロトコルに預かる資産の価値)が高まり、さらにスケーラブルなdApps、DEX、TradeFi/DeFiを構築できる。そして従来の金融と分散型金融の間のギャップを埋める高度な製品を介したネットワークになれる。」
Atul Khekade氏は
「何年にもわたってXDCネットワークへの参加を熱望する多くの機関投資家の資金がありました。しかし今回の提携は、ネットワークにユーティリティをもたらしながら、エコシステムを積極的かつ戦略的に前進させることができます。資金提供者だけでなく、真の戦略的パートナーを常に探してきました。LCAとのパートナーシップによって、XDCを世界中の機関にとって好ましいレイヤー1にしていけます。」
LDA CapitalのAnthony Romano氏は
「LDAキャピタルは、XDCエコシステムによってXDCネットワークで行われた開発に満足しています。資金調達に加えて、LDAは、XDCネットワークがマーケットリーダーとしての地位を確立するために戦略的な助言とサポートを提供します。」
(上記内容はこちらから翻訳抜粋:https://www.businesswire.com/news/home/20221002005049/en/The-XDC-Network-Secures-50M-From-LDA-Capital-to-Drive-Ecosystem-Development)
これら当事者の言葉からも、今回の出資はただの資金提供にとどまらず、LDAが今まで構築してきた小売業者や機関投資家などのネットワークが生かされる。だからこそ成長のペースがさらに加速する、とのことです。
ブロックチェーンというのは今後“ユーティリティ”が物を言いますので、このような戦略的なコラボというのは大きな可能性を感じさせてくれます。
以上が1つ目のトピックでした。続いて2つ目は
▶︎▶▶Topic.❷『ImpelがXDCネットワークにUS+ステーブルコインを導入』
….フィンテック企業であるFluent Financeとネットワーク参加者であるImpelは、US+ステーブルコインをXDCネットワークに導入するために協力しました。US+はFluent Financeの銀行パートナーを通じて、ネットワークにさらなる流動性をもたらすことを目的としています。
続いて、ImpelとFluent Financeは戦略的パートナーシップを締結したことで、Fluentの『US+ ステーブルコイン』をXDCネットワークに持ち込むことができるようになった、という記事です。
注目すべきは「従来のステーブルコインとどこが違うのか」「Impelが関わっている理由は何か」ではないでしょうか。上記のサイトからその内容を整理してみたいと思います。
まず、従来のステーブルコインとの違い、特長は何かというと、従来の銀行や金融機関でも安全に扱えることです。というのも、銀行というのは取引先等の倒産リスクを極度に嫌います。これをカウンターパーティリスクと呼ぶそうですが、ステーブルコインの価値が落ちる、みたいな昨今騒がれているリスクは極力抑えたい。そんな銀行に応えるための仕組みがこの「US+」にはあるようです。
というのも、従来のステーブルコインの課題は、「❶監査可能か、❷準備金は十分か、❸換金可能か」この3つ。これらのリスクにどれだけ具体的に対処できるか、が求められています。そこで下の記事を見てください。
上の記事では、この「US+」の強みが書かれています。
❶については、ブロックチェーンによりリアルタイムに監査可能。
❷については、スマートコントラクトを使って残高を証明可能。
❸については、“フェデレ―テッド”バンキングパートナーに法定通貨を預入。
※「フェデレ―テッド」とは“中央政府の下で一体になる”という意味があって、つまりアメリカの規制下にある銀行”群”で法定通貨のドルと換金ができる、ということです。
つまり、「US+」は❶から❸を最大限に満たしている仕組みと言っているわけです。❸については下記記事でも「米国を拠点とする銀行とすでに多数のパートナーシップを締結」とあります。
今最も信頼のあるステーブルコインUSDCも、複数の銀行で換金できるほどのネットワークはまだありません。しかし、この「US+」はそれを用意しているというわけです。
これによって、今までのステーブルコインと差別化でき、銀行が扱えない理由がなくなっていきます。そして銀行がブロックチェーン技術(DLT)を使用できる道が拓ければ、やがて分散型金融にもアクセスできる。その架け橋となるのが「US+」と言えばよいでしょうか。
こちらは、2021年の12月のFluentの初ツイート。ここに大事なことが書かれています。まだこの頃は「UST(USTerra)」の崩壊も起きていませんし、今のように「USDT」の資産の裏付けを問題視すらしていなかった頃でした。
ですが、すでにこの時点でステーブルコインの穴を指摘し、それを見越して銀行群と繋がりを作っている点は、先見性以外の何物でもありません。
以上が「US+ステーブルコイン」の特長についてでした。そしてこの「US+」の強みはまだあります。
「なぜImpelが関わる必要があったのか」という2つ目の疑問について。
XDCが「US+」と提携・・・ではなくImpelを介している理由、それはImpelの役割が関係します。
上記Impelの特長について、2つに整理してみました。
①「次世代規格”ISO20022”に則って、金融機関同士の送金を仮想通貨を使って可能にしたこと」
②「企業向けの送金プラットフォームR3Cordaのアプリ”CorDapps"への懸け橋を提供すること」
つまり、「伝統的金融とデジタル金融」を繋ぎ、さらに「パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーン」を繋ぐ、これがImpelの役割でした・
結論として、今後もし企業や銀行がメインで使っていく米ドルベースのステーブルコインがあるならば、この「US+ステーブルコイン」が一番近い存在になるのではないか。
真のゲームチェンジャーがXDCネットワークを使う、となればこんなにインパクトが大きなものはありません。あとは実用化されていくのを待ちたいと思います。
以上、2つ目のトピックは「US+ステーブルコイン」についてでした。
▶︎▶▶Topic.❸『XDC Networkの開発者が新しいハウツーチュートリアルを公開』
….XDCネットワークの新しい開発者向けハウツー記事が公開されました。構築者は、オンチェーンでのエコシステムの作成、DeFi dAppの開発、イーサリアムネットワークからのdAppの移行など、段階的な説明を得ることができるようになりました。
そして、3つ目の内容、こちらは開発者向けの内容になります。この1、2か月で開発者コミュニティの成長が著しいXDCですが、この一連の流れというのは以前の記事でもお伝えしたように、今最も開発者を多く抱えている「イーサリアムの開発者」からXDCに呼び込むための環境整備です。
今回は、開発者のためのハウツーサイトが整った、ということをお伝えしています。開発関係について私自身が疎いため、中身だけを紹介させてください。
特定ツールを使ってトークンを発行する方法、アプリ開発のためにスマートコントラクトを展開する方法、など分かりやすく項目立ててサイトが作られているのが分かります。
これだけ丁寧な作りになっていれば、開発サイドのXDCネットワークへの参入障壁は下がっているのではないでしょうか。
今回取り上げられた3つの話題についての解説は以上になります。
簡単に振り返ると、1つ目は、LDA Capitalという世界的ベンチャーキャピタルと資金面、開発面で有意義な提携ができたこと。2つ目は、Impelを通して「US+」という新たなドルステーブルコインがXDC上に登場し、銀行業界の仮想通貨利用の敷居が今後下がること。3つ目は、XDCの開発者向けチュートリアルが充実したこと。この3つを解説させていただきました。
次週も噛み砕いてお伝えできればと思っています。どうぞお付き合いください。(前回の記事もぜひご覧ください↓↓↓)
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