『DAO』に気をつけよう!その❷

こんにちは、マスオです。

今回は前回のブログ記事の続編です。

『DAO』に気をつけよう!その❶

こんにちは、マスオです。 前回は「DAO(自立分散型組織)の本質とは何か?」について解説しました。 「株式会社」の仕組みというのは、株主のようなお金を保有している一部…

前回は、今後増えていくDAOと呼ばれる組織で、「良いDAO」「悪いDAO」があるとすれば、どんな見分け方ができるか?という切り口で考察をしました。

良し悪しというのは、ずばり長続きするか長続きしないか。短命で終わるものはそもそも自律的ではないですよね。

前回はその中でも特にDAO内のコミュニティでよく使われるDiscordというSNSを例に3つの視点を提示してみました。

特権階級がいるか?

どんな評価方法をとっているか?

どんな人が集まっているか?

それでは、今回は残り5つ、どんどんいきたいと思います。

❹運営資金はどう集めたか?

アメリカで今増えているDAOというのは、大多数はVC(ベンチャーキャピタル)の資金が入っています。DAOという組織のカタチをしていますが、実は大口投資家がバックにいるケースが多いようです。

ベンチャーキャピタルとは?資金調達のためのメリット・デメリットを解説 | ビジドラ~起業家の経営をサポート~

でも、これではいくら運営方法が分散していたとしても、資金面を支えるVCの声が強くなってしまわざるを得ません。

VCがお金を入れた分、そのDAOが発行するトークンはVC側が多く保有することになり、例えばトークンが上場したところでVCが売り抜いて利ザヤを稼いで終わった、なんてケースも珍しくありません。

こう考えるとVCの資金というのは、言い方は悪いですが、短期的な爆発力があることからもドーピング注射にも喩えられます。

また、場合によってはVCとDAOが最初から手を結んでいる可能性もありますので注意が必要です。

ここからも分かるように、巨大な資金調達は「トップダウン」の象徴、極めてWeb2的です。DAOというなら資金調達もできるだけ分散されていて「ボトム」が大きい方が将来的に良いプロジェクトに育つ可能性がありそうです。

❺金庫はどう保管しているか?

今度はDAOの資金管理について。DAOなどが管理する金庫(公庫)をトレジャリーと言いますが、要は組織が使うウォレットのことです。

このトレジャリーの管理方法というのはとても重要で、もし人間を性悪説で考えた場合、資金管理がザルだとあっという間に中身が抜かれて終わります。

そんな内部犯行みたいな事態にも気をつけなければいけませんが、一体どうやって資金を管理するのか。

「マルチシグ」という言葉をご存知でしょうか?

これは複数の人で金庫の鍵を持ち合うような仕組みのことです。映画でたまに見る、超機密内容を、何人もの指紋を使って解錠するみたいな仕組みです。

1人の鍵だけでは開けられず、複数で資金管理のリスクを分散している状態。DAOの運営側がトレジャリーにどんな仕組みを導入しているか、というのは重要視されています。

このようなマルチシグサービスがあるようです。最近メタマスクもそのような機能が実装されるとか、今後はこのような話題(不祥事も)が増えていくと思います。

❻DAO運営は匿名か実名か?

仮想通貨を使う場合の特長として「匿名送金」が挙げられます。こんな風に、インターネット上でお金のやり取りができるようになったことで、DAOというのが機能できるようになったわけですが、

DAOの運営者がどんな人物か、明かされていないことが結構あります。Twitterではその人の存在が確認できるものの、その人がリアルに存在するのか、確かめられない場合もあると思います。

このようにDAOが匿名で運営できる分、こういう見方をする人もいます。

この方の仰ることは分かる気がします。現に、下のツイートのように名の知れた方がトレジャリーに関わっているとなれば安心感があります。

ただし、実名かどうかは、は信頼を図る1つの切り口であって、もっと大切なのはコミュニティ内の人間同士のやり取りでお互いが信頼し合っているかどうか、の方かもしれません。この匿名・実名というのはあくまで1つの判断材料でした。

❼どのチェーンを使っているか?

これは3月末に起きたAxie Infinityのハッキング事件に関するツイート。

Roninチェーンというブロックチェーンの脆弱性が突かれて、ハッキングに至ったという話。なので、そのDAOが使用するブロックチェーンについても調べる必要がありそうです。

ただしこのAxieの件はなんと先ほどのマルチシグすら破られていて、複数の穴を突いてくることも想定しないといけないようです。

❽DAOのプロモーション方法は?

そして今回紹介するものの最後。DAOがトークンを取引所に上場させることを、IDO(Initial DAO Offering)と言いますが、トークンを上場させる前によくプレセールなどが行われます。

早期にこのプロジェクトにコミットしてくれた人たちに、売り出し価格よりも安い価格で販売するやり方で、その後にパブリックセールを行うのが一連の流れになっています。

こういうやり方は、IDOに限らずトークンの期待値を高められる、有効なプロモーション手段になっていますが

さらにこのプレセールに人気が殺到する見込みがある場合は、ホワイトリスト(WL)という優先購入権を配布する手法が取られます。

そして、今この「プレセールのためのホワイトリスト獲得競争」が激化しているのがNFT業界。

皆がプレセール価格で買うために、Twitterで「いいね」「リツイート」たくさんの方をタグ付けしたリプライ、Discordやテレグラムへの参加、など、たくさんのノルマを課してプロジェクトをスピード拡散させています。

ですが、このやり方をDAOが行うことに、ちょっと注意が必要です。

DAOがトークンの上場、NFTのlistなどでこのやみくもな営業活動を行うデメリットもあるのです。

それは何か。コミュニティが荒れるのです。お金に群がる人ばかりになれば、転売された後は何も残らない可能性があります。

DAOというのは、自律的に継続できる組織を目指すのでコミュニティづくりが大切。なのにSNSを使ったホワイトリスト競争をプロモーション方法に取り入れるのは、短期では良い結果は得られますが、長期ではどうでしょうか。

これには強者が弱者に人参をぶら下げているような「トップダウン」の印象を受けるわけです。

DAOはどちらかというと「ボトムアップ」な手法が似合います。しっかり基盤を作って、コアなファン層を取り込み、コミュニティが自然と盛り上がることで、長期的に軌道に乗るのだと思います。

エアドロなどのおまけ商法に走るのも、短期的なインセンティブで寿命を縮める方法にもなりかねません。

逆に、人伝手に評判が評判を呼び、共感を得たものの方がDAOには良い結果が待っているのではと思います。

そして、この話はもしかしたらDAOであろうとなかろうと、あらゆる仮想通貨、NFTの選び方にも参考になる見方・・・ということをお伝えして今回は終わりたいと思います。

以上、今回はDAOの良し悪しを考える材料を5つ紹介しました。DAOの良し悪しを見る時のキーワードは「トップダウン」か「ボトムアップ」かではないでしょうか。

最後に誰にも頼まれていない宣伝をします。この記事を書くにあたり参考にしたのは前回も紹介した『日本国内発』のBQN!というプロジェクト。究極のDAOを目指してNFTを企画しています。ぜひ覗いてみてください!私も応援しています。

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