ブロックチェーン革命❻
『どデカい!未来のIoT市場』(前半)
こんにちは。少し空きましたがブロックチェーン革命シリーズ続けていきます。前回は6つ目のジャンル「IoT(モノのインターネット)」の回で一度中断していました。
IoT関連3つの記事の結論は「モノをインターネットにつなげただけじゃ意味がない」「ブロックチェーンと組み合わせることで真のチカラを発揮できる」的な内容でした。
そして、今回は何と言っても「IoT業界の市場の大きさ」に注目したいと思います。一見お金の匂いが無さそうですが、実はそんなことはなく裾野が広過ぎるくらいの分野です。今回はそのイメージが少しでも伝わったらいいなと思います。
IoTを生活に取り入れることでどんなことが変わるのかというと、究極は街にあるあらゆる機械がインターネットにつながって、それによって今まで人間が行ってきたものが機会によって自動で実行されていきます。これを
スマートシティ
これは誰もが一度は聞いたことがある言葉だと思いますが、どんなものか。言葉で説明するよりも、こちらの図を拡大してもらうと、十分にイメージがつくと思いますので、少し目を通してみてください。
こちらのスライドで、今後はあらゆるモノがインターネットにつながるイメージで少しできたでしょうか。特に今回注目すべきは支払い・決済の部分。スマートシティで機械同士でやりとりされる金額がIoTの市場規模を推し量る1つの材料になりますので、数値を特に考えてみたいと思います。
2022年2月時点でIoTはまだほとんどが実用化に至っておらず、市場規模は世界で見ても6000億円程度です。ですが、それについてこんな予測があります。
スマートシティにおけるIoTの市場規模、2026年に3,122億米ドル到達予測
日本円にすると34兆円でしょうか。つまり、ここ4年で65倍になる計算です。これだけでも期待がもてそうですが、
仮想通貨の時価総額から考えてみると、2022年2月時点では200兆円程度。IoT銘柄はいくつかあるもののその合計額は1%にも及びません。つまり、これだけでも確実に伸びる予測が立つ業界ということがわかります。
ですが、具体的にどんな場面に使われるのか、詳しく見ていくと、先ほどの数字にもう少し説得力が増すと思います。今回と次回で5つの切り口を紹介しますので、少しお付き合いください。
❶ 交通の決済
https://www.google.co.jp/amp/s/iotnews.jp/archives/113704/ampより引用
さて、スマートシティの移動手段で活躍するのは何と言っても「自動運転車」。いままで自動車によって発生する決済といえば、
駐車場代、高速道路代金、ガソリンや燃料の決済、(タクシー・レンタカーなど)利用料etc
人は乗車するだけ、カーナビが様々な機械と通信し合って、自動的にお金のやり取りを完結してくれる。今まで私たちが現金、ETCカード、クレジットカードを使っていたやり取りがIoTプラットフォーム上で可能になります。
もちろん車だけでなく、バスや電車などの公共交通機関の決済方法も変わります。どんな風になるのか、今までの切符、ICカードがなくなり、改札も不要になることが予想されています。たとえば電車の乗車口のIoT機器とモバイルがつながり自動決済、みたいな感じです。
日本の高速道路は年間3兆円、ガソリン売上は年間10兆円。日本の鉄道の市場も10兆円規模。これらがいつかIoT機器の普及でハンズフリーな決済を促します。
❷ サプライチェーン
https://solution.kke.co.jp/adap/news/000818.htmlより引用
サプライチェーンというのは、このような一連の流れのこと。原材料の調達から消費者に渡るまで、すべての工程で決済が発生するのが分かります。これらサプライチェーンにブロックチェーンを活用すると、物の流れがリアルタイムで追跡できる(俗に言う「トレーサビリティ」)など様々なメリットが生まれます。
追跡ができるということはフェイク商品の流通ができなくなる。ブランド品や産地の開示を必要とする物など、公正な取引が求められる業界では特にニーズが生まれます。
そして、これらが納品される度にチップや、QRコード、タグなどをスマホで読み取らせれば、リアルタイムで物流が確認できるようになります。さらにはここで請求書、納品書など紙でのやりとりは不要になれば、自動で決済が行われるかもしれません。
このように、商品とお金がタイムラグが無く同時に取引可能になるのだとしたら、売掛金・買掛金などもひょっとしたら必要なくなるなど、革命的な変化をもたらすかもしれません。ただし、サプライチェーン上でどれだけの物流がIoT決済されるかは分かりません。あくまで世界のサプライチェーン管理市場だけを予想すると、ここ5年で少なくとも5兆円規模に成長するのでは、と言われています。
❸ 電力市場
続いて、電気料金の話です。最近は上のようなスマートメーターが家庭にも取り付けられていますが、このスマートメーターの利点は、メーターがインターネットでつながっているため検針にわざわざ来ることなく月々の電気料金が確定できるところです。
これはこれで便利といえば便利ですが、スマートメーターの機能はこれだけではありません。今まで電気というのはたいていの人が電力会社から買うだけでしたが、スマートメーターを使うと電力を双方向に動かすことができます。
するとどんなことができるようになるのか。太陽光パネルをインターネットにつなげれば、各家庭で発電した電力を他の家庭に送ることができます。
電気の取引はブロックチェーンに記録できるので、確実な取引履歴が残り、電気の売買が各家庭同士でも可能になります。今までというのは電力会社による中央集権的な供給システムでしたが、これが分散型システムになるのも大きな変化と言えそうです。
日本のエネルギーの市場規模は年間20兆円。これら電力が個人間でやりとりできるようになった際には、電気がシェアリング、分け合えることで停電に強い街ができるかもしれません。
(このシェアリングが次回お伝えする項目につながっていきます。)
以上、IoT市場というのは巨大市場を抱えている理由、垣間見られたでしょうか。次回の2項目もお楽しみに。
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