ブロックチェーン改革❻
「IoTだけじゃ意味がない」(前半)
前回のブログでは、IoT (Internet of Things:モノのインターネット)というものがどんなものか、私たちの身近な例から感じてもらえるよう説明しました。
前回は「インターネット」と「電子機器・家電製品や家」を掛け合わせた例を紹介しましたが、IoTによってできることをまとめると、
❶モノをリモートで動かす
❷モノをリモートで監視する
❸モノ同士で連携する
❹モノから情報を集める
主に4つの役割に整理できます。そしてIoTが本当に価値を作るのは、❹の部分ということが前回の結論でした。恐ろしい数のセンサーから得た情報こそ価値がある。❶から❸だけではぶっちゃけ”お金にならない”わけです。
たとえば外出先からテレビを録画できても、ペットや泥棒を監視しても、トースターとスマホが繋がっても、大した経済効果は生み出さない。そう言われるとそんな気がします。
かと言って価値を生むと言われている❹の「センサー情報」もそれ単独ではただの高級食材。そこにシェフがいてこそ料理になり、価値のあるものに変わります。そのシェフが今までIoT業界には不在だったために大きな発展には至りませんでした。そのシェフというのは、またしても
ブロックチェーン
です。電子機器とインターネットにブロックチェーンが組み合わさることの重要さを今回と次回、2回の記事に分けて見ていこうと思います。
主に3つの課題をブロックチェーンが解決してくれますので、今回はそのうち1つを紹介します。
まず、電子機器にインターネットをつなげるというのは、とても危険な行為というのをご存知でしょうか。今までインターネットをつなげた機器は、パソコン、スマホ、タブレットくらいのものでした。これらはすべてセキュリティ対策をして使っていたはずです。
しかし、今後他の電子機器をつなげるということは、これらがサイバー攻撃に遭う可能性が生まれる、ということです。
個人情報の流出?それどころの話ではなく、変電所、浄水施設、工場、医療機器、自動運転車……これらがいきなりシャットダウンしたらどうなるでしょうか。ライフライン、命に関わる事態になるわけです。
さらにはシステムが停止どころかハッキングされた場合、機器が勝手に動き出すことにもなりかねません。下の記事はだいぶ前のニュースですが
イランの原子力発電所のコンピュータ数万台がマルウェアというウィルスに感染して、原子炉が故障、機能不全に陥った事件がありました。
そして、今の時代はロボットやドローンなど、遠隔操作も可能な時代ですので、国家の安全保障を脅かす事態になりかねません。このように、IoT機器を使えば使うほど、このような危険と隣り合わせになるわけです。
つまり、IoT機器というのはセキュリティ対策があって成り立つわけですが、今までの仕組みではこれは解決できませんでした。理由は今までが情報やプログラムが1箇所に集まるような「クライアント・サーバーシステム」の時代だったからです。
左のタイプの中央管理型のシステムは、攻撃対象が分かりやすく一度ダメージを受けると復旧に時間がかかります。しかも一箇所に高度なセキュリティ対策を施すあまり維持コストも高くなります。
この中央管理型の限界を解決するのが、ブロックチェーンを活用した右側の「ピア・ツー・ピアモデル」のシステムです。これだと、ノードと言われるデータの管理者のコンピュータを半数以上、100箇所あれば51箇所を攻撃しないとシステムはダウンしません。
これでIoT機器にはブロックチェーンが不可欠な1つ目の理由がわかったと思います。電子機器の機能障害が起きても他の機械が置き換われますし、大事な情報を狙われてもネットワーク上に散らばっているため特定されにくいので攻撃耐性が高い、ということでした。
以上、何ともタイミングよくブロックチェーンというのは世の中に登場したものです。今の中央集権型の課題、限界はこんなところにもあったことがわかったと思います。
次回はIoTにはブロックチェーンが不可欠な理由、残り2つを紹介していきます。これを理解すると、IoT関連の仮想通貨銘柄の目利きもできるようになります。IoT市場はとても大きいですので、仕入れて損のない情報かと思います😊次回もお楽しみに。
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