『ISO20022』を専門用語なしで解説!❶
こんにちは、マスオです。
今回は最近話題になっている『ISO20022』について、表題のとおり専門用語を使わずに理解をしてみたいと思います。
昨今、仮想通貨でもISO20022とどうつながるか、が国家の規制準拠のカギという話題が出ていて、それがどういう原理でそうなっているのか気になっている人もいると思います。
しかし、実際にこの『ISO20022』について調べると非常に複雑な金融用語が飛び交うサイトばかりが出てきて、20秒もすると「やっぱり見なかったことにしておこうか」という気になってしまう・・・何を隠そう私もその1人でした。
もう業界人でもない一般人の私たちが最低限知っておけばいいことは何なのか。この切り口で『ISO20022』についてお話ししていきたいと思い、今回と次回の2つの記事でできるだけ平易な言葉だけで説明していきたいと思います。
まず、このISO20022というのは何か。一言で説明するとすれば、『あらゆる国際送金のルール化』です。
サッカー(フットボール)で喩えていうと分かりやすいかもしれません。世界中で「サッカー」というのはどこでも親しまれているスポーツですが、それを国際大会を開くまでには多くの道のりがあります。
そもそも何人制でやるか、大会ルールはどんなものか、何が反則になるか、だけでなく、コートの広さ、ベンチメンバーの構成、ユニフォーム、サッカーゴールなど細かい「基準」が明確にある方が、選手たちは日頃から大会に合わせた環境で練習に参加できる。これは容易に想像がつくと思います。
一方で銀行などの金融機関というのは、すごい最先端のイメージがありますが、実は行われている送金ルールが未整備のまま今日に至っていました。
とにかく驚きなのが、金融機関が相手先に送金をする際、たとえばその銀行内で作った伝統的な独自のフォーマットで取引データを取引先相手に送り、その文書を受け取った相手が間違えることなく情報を読み取って処理をする。こういうやりとりを行ってきました。
しかも、この表記というのは世界各地で言語も違うので当然違いが生まれます。少しはお互いに書き方を合わせて見やすくしよう、という試みはあるものの、それは大規模の金融機関が「おれのやり方に倣え」ということで、世界各地のチカラのある金融機関がそれぞれの基準を作っていました。
ですが、これをサッカーの国際大会の話に当てはめると、いっこうに国際大会を始めることができないのは分かると思います。そもそもそれでも今までの金融機関の送金というのは何とかなっていた、というのが正直なところです。
ならばこの金融機関同士を取り持つ業界団体が、基準を提唱すればいいのでは?SWIFT(国際銀行間連絡協会)という世界最大の金融機関を束ねる組織がいたじゃないか?となります。
しかしSWIFTが入って送金指示のルールを統一しても、結局このようなたくさんの銀行が関わらないといけなくなってしまう。日本は地銀から都市銀行に、日本の都市銀行はアメリカの大手都市銀行に、アメリカの都市銀行はアメリカの地銀に。こういう中継が必要な仕組みが維持されてきました。
たくさんの中継があると、当然そこで間違いない処理を行うためにも時間とコストがかかり、たとえ10万円という少額の送金であろうと、「着金に3日かかった。手数料は1万円かかった。」みたいなことになって、壮大なバケツリレーをしてきました。
そこで、もうこんなバケツリレーはやめようよ、ということで提唱されたのが『ISO20022』です。ISOというのは『ISO20022というのはまさに「送金」のルールブックを創ろうじゃないか!という運動。これでサッカーのFIFAルールみたいに、国際規格を統一しようとしました。
※ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関【 International Organization for Standardization(国際標準化機構)】の略称ですが、下のスライドでISO20022がその1つというのが分かります。
この導入により、金融機関の国際大会・・・ではなく、世界中の送金というのものが統一規格で進められる、というわけです。世界中が1つの基準をもって送金できるとなると、何が良いか。
上に示したサイトで解説されていた内容を私が1枚のスライドにまとめてみました。細かく見ないで大丈夫です。ざっくり噛み砕いていくと
❶は、先ほどお示しした銀行のバケツリレーがなくなるということ。❷は手数料や送金時間が短縮できること。❸は作業の効率化、自動化が促され、将来的に機械がすべてを行えるようになるビジョンが描けるということ。
特に❹を見てほしいのですが、SWIFT以外の世界中のシステムとも繋がれる。これは大きいです。というのも、こちらを見てください。
これを見ると、ISO20022というのは銀行業務だけ、と思いきや実はそれだけではないんです。「証券業務」という株式や国債、社債などの有価証券を取り扱う業務についてもこのルールで統一されるわけです。
「国債」?そうなんです。国も実はここに関わっていくのです。
こちらの図は、ISO20022への移行期間のスケジュールを表したものですが、ここには一番上からUK(=英国)、Fedwire(=米国)、Target (=欧州)などあるように国家もこのISO20022に集まってきています。
そしてそれが中央に「Go-live」とあるように、今年の2022年11月からついに導入が開始になります。つまり、銀行、証券会社、一般企業、中央銀行のシステムが今年から大きく動き出すわけです。
ただし一番下の「Global(SWIFT)」をみると「3Years Coexistence Phase」。つまり2025年11月までの3年間は既存のシステムとの並存期間となり、それ以降が完全移行となるわけです。
2000年初頭から提唱されてきたISO20022ですが、それにしても時間がかかっています。理由は、この世界規格に合わせるためには、世界の企業がここに適合させるシステムの作り直しが必要だからです。ですが、それが満を持してこの2022年に世界各地でスタートラインに立つということです。
この「2022年11月」というタイミングと、冒頭に触れた仮想通貨もISO20022に準拠していることが今後実用化のカギになるという話。
最近2022年4月にパナマという国で仮想通貨が採用される、という話題が出ていましたが、とてもタイミングが良いですね。
以上、今回はこのスライドをなぞりながらISO20022導入によるメリットを見てきました。
次回は今回触れてこなかった❻について。国や銀行が最も気にするマネーロンダリング。その温床になることが懸念されている仮想通貨。そしてISO20022がマネーロンダリングを抑止できる理由についてお伝えしていきたいと思います。どうぞ次回もお付き合いください!
(続きの記事はこちらです)
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