【3分解説】カソツー銘柄 ETC(イーサリアムクラシック)とは?
さて、仮想通貨IoT(モノとインターネット)銘柄について特集していますが、前回まで老舗のIOTA、実用間近のVETを取り上げました。
今回は第3弾として急成長の「ETC(イーサリアムクラシック)」を取り上げたいと思います。イーサリアムクラシックとは、2016年にイーサリアムから分岐した銘柄です。イーサリアムの本流はETHに変わることはありませんでしたが、ETCは新たな道を模索しています。
2018年から見えてきたその道がIoTというわけですがさ、今回はイーサリアムクラシックの業界の立ち位置が簡潔に理解できるようにまとめました。
【銘柄】「ETC(イーサリアムクラシック)」
【チャート】3734円(2022.2.13時点)
【目的】「ETHのオリジナルチェーンを活用した(IoT)送金決済網」
※『エメラルド』というソフトウェア開発キットを提供して普及させることを目指している。
【誕生】2015年にETHから分岐(ハードフォーク)
【CEO】デクサランCEOら
【発行枚数】約2億1000億枚
【上場】国内上場あり(2022.2時点)
【時価総額】約5000億円・35位
【承認方法】PoW(Proof of Work)
【Twitterフォロワー数】約62万
【ホームページ】
A decentralized computing platform that runs smart contracts: applications that run exactly as programmed without downtime, censorship or third party interfere…
【ロードマップ】
https://etccooperative.org/roadmap (2020年ETCcooperative協同組合)
【主な提携先】
・Storj Labs(分散クラウドストレージサービス)
・iZbreaker(分散型ソーシャルメディア)等
【特徴・おさえるべきポイント!】
✅「ETHを反面教師にした堅物た」
かつてイーサリアムとハードフォークの原因になった「THE DAO事件」で起きたハッキングでイーサリアム財団が中央集権的な介入をしたことをトラウマに、これではいけない!と登場しました。
それゆえ、今後も電力消費の多いPoW (プルーフオブワーク)を維持していく可能性が高いですし、”Code is Law”という考えを遵守していることが特徴です。
【注意点】
✅「過去の3度の51%攻撃を受けている」
機能面のアップグレードについて「ハッキングリスクがある」と拡張を制限してきたのに、今までに何度もセキュリティ面で事故が起きています。
昨年2021年にハードフォーク「Magneto」を実施。ネットワークのセキュリティを向上とガス代(手数料)削減に努めていたり、
https://jp.cointelegraph.com/news/ethereum-classic-devs-announce-upcoming-hard-fork
また、イーサリアム共同開発者でカルダノ創業者を役員に迎え入れてみたり、
https://ethereumclassic.org/blog/2022-01-19-mystique-hard-fork
この半年の目立った動きを追ってみると、これがおおよその大きな材料が見られてはいました。しかし……それだけです。内部での動きはあっても、それがIoTに結びつくような話は表にあらわれてきません。
【考察】
以上を踏まえて、結論。2018年にIoT分野へシフトすると見られてきたETC(イーサリアムクラシック)でしたが、提携先の話題はほぼ見られない。
ETCの動向を数年さかのぼってみても、産業界とのつながりが見えてきません。
気になったのが、ETCをバックアップするETCcooperative (協同組合)という組織。こちらが示したロードマップは2020年で途絶えています。また、下記の通りニュース記事は1年以上更新されていません。
ここまで探しても見当たらないクリプト界以外のつながりは、IoT分野に関しては不自然、あるいは異常に思います。
昨年価格が過去最高値を更新急騰していましたが、何やら価格だけが独り歩きしているように思えてなりません。ハードフォーク、アップデート、開発者を招き入れた、NFTが発行される……これらは大いに結構なのですが、
イーサリアム本家はPoS(プルーフオブワーク)に移行するなど実用化に向けて必死に動いている中で、ETCは「オリジナルのイーサリアムを」という理念からPoW(プルーフオブワーク)を選び、サイドチェーンでどうにかする…
これは私個人の意見としては、実用化に遅れをとっているようにも思います。裏で進められていることがあったとしても、他のIoT分野の動きが著しいだけに、スピード感に劣るように見えています。
BTC+ETH=ETC?
これが現実となるのか、幻想となるのか。気をつけて見る必要があります。