CitiバンクレポートとXDCとCBDCと…

こんにちは、マスオです。

今回は最近メディアでも話題にされたCiti銀行の調査レポートについて、XDCの絡みで少し取り上げてみたいと思います。

(引用:https://jp.cointelegraph.com/news/killer-use-case-citi-says-trillions-in-assets-could-be-tokenized-by-2030)

こちらのレポートによると、

このCitiレポートのリンクサイトはこちら。(https://ir.citi.com/gps/MG9DEWhoYvQJVWLM9Kr3%2BZmqjoztKJcyNHr83F9Wug2pzAGHPQKfp23RAMrkNts%2FJitXoTNqufOvegUjjXh0IA%3D%3D)

そして、このレポートについてXinFin創業者のAtul氏がこのようなTwitterでこのようなツイートをしていました。

Atulさんが言う2つのページを確認すると、このようにあります。

 <2ページ>

ここには、2人の人物が取り上げられていて、上のRonitさんはCitiの金融グローバル責任者の方。下のSunilさんはXinFinのCOOの方。こちらの御二方に注目です。

まずCitiのRonitさんは、実はこのような立場も務めております。

XVC.techは見て分かる通り、XinFinの投資部門です。ここにパートナー兼アドバイザーとして入っています。つまり、XDCの内部関係者になります。

そして、こちらは先月のXDCのISO20022送金ソフトウェアを担うImpelのCEO・Troyさんとステーブルコインの活用について語っている相手はこのRonitさんでした。

一方、このCitiのレポートにもう1人のSunilさんが以下のようにインタビュー形式で寄稿をしています。

 <84ページ>

こちらを翻訳します。何となく太文字部分を追っていただければと思います。

 【翻訳】貿易金融におけるブロックチェーン活用に関するSunil Senapatiとの対話

Q:貿易金融におけるこれまでのブロックチェーンの取り組みやパイロットは、なぜ失敗したのでしょうか?

スニル: ブロックチェーンは貿易金融にとって理想的な技術であり、貨物や書類のリアルタイム追跡、透明性の向上、取引先リスクの低減、自動化と迅速な決済の実現、取引コストの削減という主要なニーズを満たしています。貿易金融のプロセスでは、書類の確認、認証、当事者から当事者への所有権の移転、異なる法域や異なるプラットフォームで活動する複数の当事者などがあり、マンモス級の調整作業となる。

これまでは、一部のコンソーシアムが特注のブロックチェーンや非ブロックチェーンのプラットフォームを作成していました。例えば、2018年、IBMとMaerskは、ブロックチェーン対応の貿易プラットフォームであるTradeLensを設立しました。TradeLensは、世界貿易に関わるあらゆる事業者に、情報を共有し、安全に協業するためのデジタルツールを提供しました。

しかし、2022年11月、グローバルな業界連携が実現できなかったため、プラットフォームと提供は中止されました。

TradeLensは、必要な商業的実行可能性のレベルに達することができなかったのです。これは、コラボレーションと採用の問題でした。海運メジャーが主導するプラットフォームは、中立的な立場の人間とは見なされない。TradeLensは海運会社とテクノロジー会社が共同で開発したものですが、銀行を取り込むのに苦労しました。その理由のひとつは、デジタル文書を受け入れる法的枠組みがなかったからです。

Q: 法的な面では何が変わってきているのでしょうか?

スニル:最近まで、サプライチェーンや貿易金融の分野でデジタル文書を受け入れる主要な法域や規制機関はありませんでした。そのため、貿易におけるデジタル化ソリューションの導入は限られていました。毎日、何十億枚もの紙文書がやり取りされ、飛び交っています。このプロセスをデジタル化する必要がありました。

多くの企業が二国間でデジタル文書を使用していましたが、業界では大量導入が必要であり、大量導入のためには規制と法律の明確化が必要です。国連国際貿易法委員会(UNCITRAL)は、2017年に「電子的移転可能な記録に関するモデル法(MLETR)」を採択しました。

MLETRは、国内でも国境を越えても、電子移転可能な記録の法的利用を可能にすることを目的としています。バーレーン、シンガポール、アブダビなど一部の法域では、2018年から21年にかけて同ルールを採用しており、これはスタートではありますが、より多くの国が貿易における電子文書の利用を法的に認める必要があるため、十分ではありません。

2022年10月12日、英国議会の貴族院で、デジタル貿易文書に紙ベースの同等品と同じ法的基盤を与え、英国企業が貿易方法についてより多くの選択肢と柔軟性を持つための「電子貿易文書法案(HL Bill 57)」が提出されました。

この法案が成立すれば、1882年の為替手形法、1992年の海上物品運送法などの古い法律が近代化され、英国は電子貿易文書を合法化する世界最大のグローバル貿易国のひとつとなることが予想されます。現在、世界貿易の約8割が英国法に基づいています。

Q:今回はうまくいくのでしょうか?なぜ貿易金融にブロックチェーンが採用されるのでしょうか?

スニル:貿易金融におけるブロックチェーンの採用の原動力の1つは、英国が国際貿易の一部としてデジタル文書の受け入れを開始することです。これは画期的なことで、世界貿易のほとんどが英国法に従っていることを考えると、国際貿易のほとんどでデジタル文書が法廷で受け入れられるようになります。

これにより、貿易参加者、さらには銀行がデジタル化プロセスを開始する上で、切望されていた法的規制の明確化が実現することになります。電子記録は、輸送・物流や金融など、特定のビジネス分野に特に関連する可能性があります。電子文書を受け入れる英文法は、貿易金融とブロックチェーンの導入にとってゲームチェンジャーとなるでしょう。

さらに、ブロックチェーン・ネットワークが友好的になっているのは、サイロで運用すれば、大量導入はおろか、運用を継続するためのクリティカルマスを得ることもできないことに気づいたからです。また、この業界では、個々のブロックチェーン・ネットワークが相互運用できるように接続する「ネットワーク・オブ・ネットワーク」が本質的に進行しています。

ブロックチェーンやサプライチェーン業界からの学び、そして法律や規制機関のオープン化によって、サプライチェーンや貿易金融分野の情報の流れはより速くなることでしょう。

Q: 2025年までに、世界の貿易フローの何パーセントがデジタル化されたフローを伴い、そのプロセスの一部にブロックチェーンを使用するようになりますか?2030年までには?

Sunil: 数字を出すのは難しいですが、より多くの国が電子貿易文書を受け入れているので、2025年までにこの割合が2桁に移行すると見てよいと思います。

2030年以降にはさらに普及が進み、相互運用性によって電子化されたフローがより高い割合になることが予想されます。さらに普及させるには、よりシンプルなアプリケーション、基本的な機能を利用するための低コストまたは無料なコスト、そして取引をサポートする新しい流動性プロバイダーが必要です。

(以上)

このコメントを見ると分かること、それはピンク色で示した「ネットワーク・オブ・ネットワーク」が順調に進行していることです。この言葉は何を指すか。ご承知の方もいる通り、かつてからXinFinが準備してきた、

ということで、CitiとXDCの間柄がもの凄い親密、とまでは言いませんが、今進んでいるXDCの方向性に確かさを与えてくれる材料にはなるかと思います。

また、CitiのRonit氏はCoindesk TVでも興味深いことを語っていました。

こちらの2分40秒程度の動画で語られていたことを意訳すると、

Ronit氏は、「CBDCはブロックチェーン採用拡大のための“トロイの木馬”(内通者が巧妙に相手を陥れる罠)だ」と語る。今のところブロックチェーンは大きくスケーリングはできていないが、これはCBDCの普及により促進されるものになるだろう。

分散型の暗号通貨好きの人たちはCBDCを嫌っているので、この私の言葉についてショックを受けるかもしれない。ただ、中央銀行が中央集権的にCBDCをやっている例は少なく、結果的にトークン化資産やトークン化貨幣の導入を推し進め、市場規模を数十億ではなく数兆の規模に押し上げることに寄与するだろう。

だからこそCBDCは良い意味でも悪い意味でも“トロイの木馬”であり、私たちにデジタルウォレットが馴染み、VCや銀行が発行するステーブルコインを持つことで、他の様々なコインに短時間でジャンプすることができるようになる。

(以上)

また、このCoindeskの記事で「中国のCBDC=中央集権的」だが「インドのCBDCは相互運用を目指すことで利益を得るかも」とも語っています。

これまでのことを踏まえてまとめをすると、今まで私は「CBDCがなぜ相互運用を目指す実験をこんなに早期から行っているか」という疑問を持っていましたが、このRonit氏の考え方をもとにすると、それは「CBDCはあらかじめ分散型暗号通貨と融合するように設計されている」と考えてもいいのではないでしょうか。

あの銀行間通信協会(SWIFT)も今やCBDCの相互運用プロジェクトを推し進めていますので、ますますXDCなどの分散型暗号通貨がISO20022と密接に繋がっていく。今回のCitiのレポートからますます確かなものが見えてきたように思いました。

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