Weekly XDCダイジェスト vol.㉘ 2022.9.11-17
こんにちは。今回は定期コーナー。先週のXDCネットワークの動向についてXDC Foundationがまとめた下のツイートをもとに、わたしなりに日本語で解説を加えながら定期発信する回になります。
仮想通貨XDCについてまだ知らない方の入口にしていただいたり、すでにお持ちの方は最新動向を追うための1つの情報源にしていただけたらと思います。では先日発表された9月11日から17日までの動きを紹介していきます。ではさっそく参りましょう!
《THIS WEEK IN XDC (2022.9.11-17)》
今回は3つのトピックがありました。太字が直訳部分、その後にわたしが僭越ながら解説を付け加えていきます。
▶︎▶︎▶︎トピック❶『CoralXはXDC Networkのスマートコントラクト開発を支援する』
Securrencyは、新しい開発者向けツール「CoralX」をリリースしました。このシステムは、XDC Networkの開発者がスマートコントラクトの開発、テスト、デプロイメントを行うのを支援するために設計されています。
最近XDCは、開発者向けツールのトピックが続いています。
今回は、先週ご紹介した”Securrency”というブロックチェーン関連の金融インフラ・金融商品を提供する大手企業が、スマートコントラクトの開発、テスト、展開するためのツール“CoralX”をリリースした、という内容です。
スマートコントラクトというのは、たとえば銀行の自動引き落とし、自動利払い、条件が満たされたら契約解除、などの機能を、すべてプログラムを組んで実行できる機能を言います。これでDApps(分散型アプリ)を開発できるわけです。
ただ、通常スマートコントラクトを組むために、たとえばTruffleというツールを使用した場合はテストで2.5時間以上かかるとのことですが、そこをCoralXでは30分で完了できるそうです。CoralXの特長は、その優れたパフォーマンスにあります。
次の記事で、CoralXを使用してスマートコントラクトをXDC ネットワークにデプロイする方法が書かれています。
今後、XDC上でのDAppsが捗るツールの登場で、ますます様々なサービスが登場することが期待できそうです。
▶︎▶︎▶︎Topic.❷『ETHマージ完了&XDPoS 2.0登場』について
イーサリアムのネットワークは、これまでで最大の努力であるマージ(統合)を完了しました。そのすぐ後に、XDCネットワークがXDPoS 2.0にアップグレードされ、2023年第1四半期に登場する予定です。
先日9月15日にイーサリアムネットワークがアップグレードされました。これによって、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムは、XDCと同じ「PoS(Proof of Stake)」になりました。
これによって、イーサリアムはエネルギー効率が格段に上がります。そしてトランザクション(送金処理)はより迅速に処理され、ガス代もさらに安くなります。(イーサリアムは現状はまだ、処理速度とガス代の改善には時間がかかりそうですが)
ただ、今回なぜXDCがわざわざこのイーサリアムのアップグレードを取り上げたのか。それはイーサリアムがスマートコントラクトの元祖であることのリスペクト。そしてXDCのコンセンサスアルゴリズム「XDPoS2.0」の、イーサリアムとちがう“差別化ポイント”を伝えたかったからです。
XDCでは2023年第1四半期に、XDPoS2.0がメインネットに移行する予定です。これが順調に進めば、セキュリティレベルをかつてないくらいに引き上げることができる、と言っています。
しかも、イーサリアムはノードという承認者の数が数千人レベルである一方、XDCのノード数は百人、二百人程度です。XDCのネットワークはこれでも十分に安全に設計されていて、より実用性があるブロックチェーンになると期待されています。それがXDPoS2.0の最大の利点と言えます。
以上のことを、下の記事でも言っていますのでリンクを添付しておきます。
ちなみに、こちらは「BTC NEWS」という暗号通貨メディアですが、上の記事と似たような内容の、イーサリアムとXDCを比較した記事があったので紹介しておきます。
以上、今回はイーサリアムのアップグレードに際して、XDCのコンセンサスアルゴリズムのビジョンを改めて伝えるトピックでした。
イーサリアムのガス代が下がることを祈りつつ、XDCネットワークのユースケース拡大を祈りたいと思います。
▶︎▶︎▶︎Topic.❸『XDCコミュニティがバウンティーの第1ラウンドを完了』
XDC Communityは、「Truffleを使用してXDC Network上にスマートコントラクトをデプロイする方法」というバウンティーの第1ラウンドを完了し、払い出しを行いました。
こちらも先週のトピックで紹介した、バウンティ(報奨金)制度の続報です。その内容を簡潔にお伝えすると、XDCネットワーク上での開発を手伝ったり、バグを見つけたりすることで、開発者が報酬を得られる仕組みのことです。
今回のトピックではこのバウンティ制度の第1ラウンドが終わり、実際に報酬が支払われた、という報告でした。
ちなみにTruffle(トリュフ)というのは、今回のトピック❶の「Coral X」の記事でも取り上げた、デフォルトのスマートコントラクト開発用ツールのことです。使い方については下記記事を参照ください。
このトピックについては以上!と言いたいところでしたが、なぜここ最近このような「スマートコントラクト開発」に関する記事が多いのか。理由が見えてきました。
それは、イーサリアムの開発をXDCに誘致するためです。こちらの記事を見てください。
これは9月19日の『XDC.dev』の記事ですが、イーサリアム上にあるDApps(分散型アプリ)をXDCに引っ越しさせる方法が書かれています。
イーサリアム上に構築されたアプリは、XDCと互換性があるため比較的簡単に移行が可能になります。そこで、このTruffleというツールを使ってXDC側に移行させたい。
そして業界でも群を抜いて多いイーサリアムの開発者を、バウンティ制度を使ってXDCに誘致したい。こういう意図があることが見て取れました。
これは何も”引き抜き”ではなく、開発者は自分自身に最もメリットがあるネットワークを選ぶものですので、その魅力ある環境を用意するために今XDCは注力しているということでした。
以上、今回のWeekly XDCは、1つ目は『Coral X』というスマートコントラクト開発の時短ツールの登場について。2つ目はイーサリアムのアップグレードに合わせてXDCの『XDPoS2.0』の紹介。3つ目はスマートコントラクト開発のバウンティ制度が無事開催された件。
次週も噛み砕いてお伝えできればと思っています。どうぞお付き合いください。(前回の記事もぜひご覧ください↓↓↓)
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