Weekly XDCダイジェスト vol.⓲ 2022.7.3-9
こんにちは。今回は定期コーナー。先週のXDCネットワークの動向についてXDC Foundationがまとめた下のツイートをもとに、わたしなりに日本語で解説を加えながら定期発信する回になります。
仮想通貨XDCについてまだ知らない方の入口にしていただいたり、すでにお持ちの方は最新動向を追うための1つの情報源にしていただけたらと思います。では先日発表された7月3日から9日までの動きを紹介していきます。ではさっそく参りましょう!
《THIS WEEK IN XDC (2022.7.3-9)》
今回は3つのトピックがありました。太字が直訳部分、その後にわたしが僭越ながら解説を付け加えていきます。
▶Topic.❶『XDCネットワーク上でメタバースを構築する』
……Metabloqs CEO & Co-Founder Megha Shresthaは、Meenu Sarinと共に、XDC上に構築された分散型メタバースについてAMAセッションに参加しました。
こちらは、XDC上のメタバースプロジェクト『Metabloqs』がインフルエンサーのYouTube番組にお邪魔して、AMA(Ask Me Anything)を実施した、という件です。
こちらがYouTube動画です。
この内容については前回のブログ記事で和訳しましたので、ぜひ見てみてください。このプロジェクトがいかにXinFinがチカラを入れているかが分かると思います。
XDCホルダーへのエアドロップ、土地やトークンのプライベートセール、今後のエコシステム拡大のためのパートナーなど、面白い内容が聞けましたのでぜひご覧ください。
▶Topic.❷『貿易金融投資クラス』
……ブロックチェーン・サプライチェーン協会は、アンドレ・キャスターマン氏を招き、TFDイニシアチブが貿易金融を投資可能な資産クラスとして確立していることについて議論しました。
こちらのセッションはこのツイートで予告がありました。
今回のセッション相手であるBSCAというのは「ブロックチェーン・サプライチェーン協会」。以前のダイジェスト記事でも2度登場した団体ですが、こちらの代表Erik氏とXDCのアドバイザーであるアンドレさんとのトークセッションが7月7日に開催されました。
その様子はこちらのYouTube動画にアップされていました。
今回はその内容を到底網羅できませんが、そこで話題にされていたことを、私なりに言葉にしてダイジェストさせていただきます。翻訳ツールを使うなど、言語の壁はありますが、精一杯頭を振り絞ってお伝えしたいと思います。
まず予備知識として、サプライチェーンとは、物流・流通のこと。企業の生産から消費までの過程にブロックチェーンを導入することで、業界の自動化、無人化、効率化を進める。このBSCAはこれを目指しています。
一方、アンドレさんはXDCのアドバイザーであり“世界貿易にブロックチェーンを導入するお役目の方。
今回の両者のセッションで、「サプライチェーン業界」と「貿易・金融」がブロックチェーン導入に向けてどう動いているか、接点やその最前線が見えてくると思います。
箇条書きで紹介していきたいと思います。気になる点があればぜひ動画の本編も見てみてくださいね。
<アンドレさんが提案する4つのトレンド>
・世界経済には大きな変革が進行中。特にスライドの上部の4項目が重要になる。
❶新たな顧客の期待
❷ESG
❸機関投資家
❹デジタル資産
前者2つは「透明性」、後者2つは「アクセス可能性」に関わる内容。
・この中で特に、ESGが重要。規制、資産管理の面でも、銀行、企業のエコシステムに影響を及ぼすので、考慮するべき優先事項になる。ここをサポートする必要がある。
・ブロックチェーンがもたらすものは、公証人として機能するステータス情報を共有すること。これを私たちが行っている。
・銀行は今後パブリックブロックチェーンを使って、ドキュメント・債券などを共有できるようにする。
<貿易金融の現状の取り組み>
・貿易金融業界でブロックチェーンが採用されるために、2つのイニシアティブが発足された。
・テクノロジーはポリシーと組み合わせることが非常に重要で、業界は21世紀に適応した“法改正”が必要だった。
・そのために2017年に採択された電子転送可能記録のモデル法“MLETR”があって、それを採用する国を広げる必要がある。
・そのためにより多くの企業、中小企業を引き付ける目的で発足したのが“DNIイニシアティブ”(図の左2つを結ぶ部分)
・一方、貿易金融を円滑に行うためには、流動性のある資金が必要。でないと市場が成長できない。
・そこで個人投資家・機関投資家が貿易金融の資産クラスにアクセスできるようにするために発足させたのが“TFDイニシアティブ”(図の右2つを結ぶ部分)
・この2つのイニシアティブによって貿易金融業界のブロックチェーン採用準備を進めている。
・そこでもう1つ、図の真ん中の“銀行(オリジネーター)の役割が重要。銀行は大量の債権や債務を流通させる立場。
・銀行のバランスシートを強化、財務健全化する必要がある。また、今は銀行や金融機関がバーゼル規制により流動性が枯渇しているので、ここに新たな風を吹き込む必要がある。
・そのためには(ブロックチェーンによる)資産のデジタル化、自動化が不可欠になっていく。
・こうすることで今までとちがい、銀行は機関投資家などから資金を集め、業界の金回り、流動性を作ることができる。(=中小企業への資金供給量を増やすことができる。)
・その流動性を提供するのが下記のTFDイニシアティブパートナー企業。(サンタンデール、ゴールドマン・サックスなどの名前を挙げて紹介)
・また、企業だけでなく個人投資家も規制当局の承認があれば、トークン購入のように貿易金融資産クラスに参入することができる。
・以上の構想は理想を語っているのではなく、すべて実現可能なものである。
・というのもこれらはすべて2021年の私(アンドレさん)たちの計画の一部だから。
・しかもその準備は整ったので、まもなく実現が可能。
・まず私たちは、TradeTeqとXDCネットワークとのパートナーシップを通じて、一般投資家の参加をもたらす予定がある。
・今後(XDCだけでなく)よりリスクの高い資産に対応するトークンが、まるで自分のリスク選好度に合わせて投資できるファンドのようにどんどん増えていくと予想される。
・トークン化のコンセプトは、様々な場面で今後数年のうちに爆発的に普及すると予想される。そして、流動性の提供者は消費者かもしれない。
<ESGに関して>
※ESG・・・環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉。
・今後の世界はESGのフレームワークやポリシーにお金を払うことになる。
・ESGは新しい経済を生み出すが、ESGやカーボンオフセットに関連した新しいアセットクラスが生まれる可能性がある。
・ただこれにはESGの状況を追跡する技術、データ・プライバシーの問題もあり、これに対応する技術が必要。
・ESGというのは、基準を満たした人が資金を得ることができる一方、自動車ビジネスのようにお金を払わないといけない。(つまり、そこには経済が生まれるという意味でもある)
・そのような新しい慣行を推進するためには、一連の規制があって、それ次第でESGが別の資産クラスにもなり得る。
・なおこの分野にはESG専用の取引所やカーボンオフセット取引所が存在し、これは今後の市場変革のトレンドのトップに据えている。
<送金に関して>
・現状コルレス銀行、Swiftメッセージなどを経由して、パーソナルバンキングを経由すると、送金が迷子になってしまうケースも少なくない。(追跡が困難になる問題)
・だがDNIイニシアティブの延長で、Impelが実現した支払いプロセスがあり、これはISO20022に基づいた支払いをトークンで追加することができる。
(Impel、ISO20022についてはこちらの記事を参照👇)
・ただ現段階では、トークンを介した流動性の取り扱いを受け入れられるかどうか、という問題がある。
・より多くの規制当局が開放する必要があるものだが、私たちはヨーロッパの規制当局と協力してきた。英国の規制当局は非常に進歩的だ。
・アブダビも非常に進んでいる。しかし、まだ多くの国ではトークンの意味がわからないのか、抵抗しているのか、まだ取り組んでいないか、どれかの状況。
・トークンの発行がゼロに近い状態で受け入れられるように、規制当局ともっと協力していかなければいけない。
<次回予告>
・実はすでに次回のセッションを予定している。今回は前菜のようなもの。私たちは9月15日に戻ってくる予定です。
・そこで私がデジタル貿易金融と呼んでいるものについて、その全体像がわかると思います。
・9月15日にはもっと深く掘り下げることができますし、カンファレンスでいくつかのことを発表します。
以上が、今回のセッションのダイジェストでした。まとめると、前半は企業とブロックチェーンとの接点を貿易金融の変革を中心に語られ、後半は今後のサプライチェーン・流通業界の動向を中心に語られていました。次回が楽しみです。
では、次のトピックに参ります。
▶Topic.❸『分散型アクセスコントロールNFT』
……LitプロトコルはXDCネットワークと統合し、NFTを通じてdAppsとプライベートデータオンチェーンに分散型アクセス制御をもたらしました。
この『Lit Protocol』とは何か?サイトから要約したいと思います。
まずは冒頭にある部分を抜粋して、Lit Protocolの概要を確認します。
なんとなくわかったような、わからないような・・・。何やらブロックチェーンのデータ管理を厳重にできる、というサービスを提供するものだということは伝わってきます。
よく世間ではNFTは『世界で唯一、と証明できるもの』といいながらも、そのデータ自体はコピーされてしまう。そんな話は結構聞いたことがあるかと思います。
つまり、コピーされてはそのNFT(画像、映像、音楽など)の価値は担保できないのでは?という技術的な課題に対する解決策を提示しているサービスと言えそうです。
そもそもNFTというのは、たとえその絵のNFTがコピーされたとしても、そのJPEGデータ自体が盗み出され、売られてしまう事態になるわけではありません。というのも絵がブロックチェーンのデータとセットになって売買されているので、コピーされてもそこまで実害はないです。
しかし、もう少し未来のことを考えてみると、NFTがこの状態でありつづけるとある課題に直面します。
たとえば将来的にNFTというのは、「証明書」のような人間自身に紐づくデータにも活用が可能になると見らえています。日本でも数か月前に“卒業証書”をNFTで授与した、という事例がありました。
このように世の中が変わる場合、先ほどの絵のNFTとはわけがちがってきて、画像自体の扱いが非常にセンシティブになっていくはずです。個人情報は到底コピーされていいものではない。
となると、その証明書を悪意から守るためにどうやって鍵をかけるか、あるいはデータを管理するサーバー攻撃から守れるか、が重要になります。
ましてやXDC上で発行される貿易金融NFTみたいな、企業が発行・保有するような資産性を帯びるものは、厳重さをどう確保するかが当然問われてきます。
今回の、XDCチェーン上の分散型ストレージサービスStorXのチカラを借りてLit Protocolさんと繋がったニュースというのは、こういうNFTなどのセキュリティ強化の意味を持っている。そう捉えてもらればと思います。
以上、今回は1つ目は、MetabloqsのAMAについての概要。2つ目はBSCAとアンドレさんのセッションについてのダイジェスト。3つ目はLit Protocolと提携したことの意義。この3つを紹介させていただきました。
次週も噛み砕いてお伝えできればと思っています。どうぞお付き合いください。(前回の記事もぜひご覧ください↓↓↓)
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