Weekly XDCダイジェスト vol.❿ 2022.5.7-5.13
《THIS WEEK IN XDC (2022.5.7-5.13)》
今回は3つのトピックがありました。太字が直訳部分、その後にわたしが僭越ながら解説を付け加えていきます。
▶Topic.1(5.10)『XDCを搭載したLayer 2が気象データをブロックチェーンにもたらす』
……XDCネットワーク上に構築されたLayer 2技術により、分散型レーダーや衛星システムは、天気予報ノードを活用して、ブロックチェーン上で気候データをリアルタイムに取引することができます。
「XDCネットワークの分散インフラストラクチャを搭載したプラグイン天気予報ノードは、ブロックチェーンツールの実際の採用における物語を変えます。」
最初はこんな書き出しから始まる記事についてです。
気象データをブロックチェーンに細かいレベルで設置するとどんなメリットがあるのかというと
・ボタンを押すだけでリアルタイムデータを使用できる
・悪意のある攻撃やエラーに強い
・異常気象が増加する中、特に農業部門に活用が期待される
・近い将来、航空、保険など多くの産業の効率を改善する
この記事ではこのような内容が書かれていました。
そして、IPCCのイ・フェソン議長(下のツイートの人物)。はいきました!国際機関。IPCCというのは『気候変動に関する政府間パネル』のことで、言ってしまえば“国連の地球温暖化部門”です。
その国際機関の代表者が
「今世紀の気候変動の状況を知る上で、今後数年間は極めて重要である。このため、(CO2)減少に関する最新の評価がこれまで以上に重要になる。」
と語っていることから、今後ブロックチェーンデータがCO2削減には必要なことだ、というのが分かります。
そして表題にあった「レイヤー2」という言葉は何か。あまりご存知の無い方に簡潔に伝えると、レイヤー1がブロックチェーンネットワークの“最短ルート”ならレイヤー2は“迂回路”みたいなもので、XDCベースのトークンをどこで走らせるかの違いになります。今回の気象情報サービスで使われるのはレイヤー2トークン。その名前は
「PLI(プラグイン)」
聞いたことがある人もいるのではないかと思います。PLIに関する本文の説明を引用するとこんな感じです。
「PLI(プラグイン)」とはXDCネットワーク上に構築された分散型オラクルのプラグインは、分散型気象データを提供します。このデータは、世界中のさまざまな場所に配置された登録済みの気象観測所(ハイパーローカルセンサー)を介して収集および処理されます。
通貨「PLI」を知ってはいたが、どんなユースケース(使い道)なのかと思っていた人も、これで1つスッキリしましたね。
そして今回の記事にもあるように、たとえばこの“分散型天気予報のお手伝い”をするいわゆる「ノード」という立場になると、なんと“半永久的な不労所得”が得られるかも、なんて話があるのをご存知でしょうか。
しかもここ最近とある日本の方々がサポートコミュニティを無償で作っていて、このPLIのノードになりたい人のための設定手伝いをオンライン上でしてくださっているそうです。
通常ノードになるには、パソコン上で難易度の高い設定を行わなければいけないのですが、そのノード設置作業も彼らのサポートがあればあっという間に!?という話が聞こえてきます。なんとも有難い話ですね!
「そもそもノードって何?」「不労所得だと!?」という方のために、こちらのきっとコアメンバーの『クリプトぬこ』さん、『フラットアース』さんのツイートを引用させていただきます。
●PLIノードサポートテレグラム●
https://t.me/+pe_KOSpQcPMzYjQ1
PLIノードに興味がある方はぜひこちらを訪ねてみてください。とても心強く手伝ってくれるのではと思います!
▶Topic.2(5.13)『トレードテック パナマの約束』
……XDC Foundationは、パナマにおけるブロックチェーンの導入と、それがどのように経済的安定、TradeTechの機会、銀行口座を持たない市民への金融包摂をもたらすことができるかについてのMedium投稿を公開しました。
4月にパナマという国の議会で暗号通貨の採用が決定し、そこにXDCも含まれていたことを以前のこの『THIS WEEK IN XDC』でも紹介させてもらいました。
今回はその発表を受けて、XDC Foundationが「私たちはこう考える」という内容を紹介したトピックになります。
このMidiumという記事はちょっと長いのですが、できるだけ要旨が伝わるようにまとめてみます。時間の無い方は太字の部分だけでも見てみてください。内容は主に3つ。
❶「WEF・WTOが4月に発表したレポート」
▶▶▶貿易金融の解決すべき問題提起
❷「パナマでの暗号通貨の採用方法とそのメリット」
▶▶▶世界の中でも暗号通貨採用の先端事例の紹介
❸「ISO20022とパナマ」
▶▶▶パナマの役割と❶への答え
ざっとこういう内容になっています。少し内容を噛み砕いて、掻い摘んでいきます。まずは❶について。
WEFとは「世界経済フォーラム」のことで、要は政財界の要人ハイソサイエティの会合の名称です。一方、WTOは「世界貿易機関」。要は今の世界の体制側が
「今の世界の貿易には“貿易金融ギャップ”があるので、それを解決しようや。新しい技術(ブロックチェーン)を使えば、それが埋められるぞ。」
お上はこういう声明を出しているよ、それに対してXDC Foundationも同意しているという内容でした。
(※貿易金融ギャップとは平たく言うと、お金が必要な企業に行きわたらず、貿易の不活性を招いている課題とお考えください。)
次に❷について。パナマが暗号通貨を採用するメリットが2つ。そのためにパナマがとっているアプローチが2つ書かれていました。まず採用メリットから。
・透明性の確保(金融犯罪や資金洗浄の余地を無くす)
・金融包摂(銀行口座を持てない人が持てるようになる)
そしてそのためのアプローチとしてはこの2つ。
・規制の監視(エルサルバドルのように国家が暗号通貨の使用を強制しない)
・法的な安定性(規制を整えて経済を、銀行との相互運用ができるようにする)
※パナマは法定通貨として採用するつもりはなく、ただし、税金の支払いには使える。みたいなスタンスのようです。
ここで言いたいことは『暗号通貨✖主権国家✖経済活動』がうまくワークしていく可能性が高いパナマの事例のように他の多くの国が暗号通貨を採用していけば、これから国家間をまたぐようなやりとりで「貿易技術革命(Trade Tech)」が可能になる(ここでXDCの出番だ、とまでは言っていません)ということです。
ふう・・・ここで一息。そしてこちらを見てください。
これらの色を付けた通貨、ちょっと頭の片隅に入れておきつつ、続きを読むと
ついに❸のテーマ、『ISO20022』の登場です。
パナマで選ばれている通貨には、9種類ありますが、先ほど紹介した通貨にはISO20022という国際標準規格をクリアした暗号通貨がいくつもあるのが分かります。(ALGO、XRP、XLMなども)
そして、もちろんXDCもです。
私見が入りますが、XDC普及を逆算した場合に、暗号通貨を国家が採用する模範例がパナマであることは大きいように思います。
貿易立国・海運の要であるパナマ、ISO20022という規格の通貨を多く採用しているパナマ。下地作りができている感じがあります。
以上、長くなってしまいましたがこの2つ目のトピックというのは、
❶で世界的な課題意識を紹介し、❷でパナマの暗号通貨採用の先行事例を紹介し、❸で今後の貿易での暗号通貨採用、というビジョンが見えてきた。
という内容でした。最後、3つ目のトピックは
▶Topic.3(5.13)『XDCファウンデーションがパナマに向かう』
……XDC Foundationはパナマシティに向かい、5月18~19日に開催されるBloomberg New Economy Gateway Latin Americaのイベントに参加します。世界と地域のリーダーが出席し、私たちのチームは地域経済のためのブロックチェーンソリューションに関する議論に参加します。
こちらは、まさにトピック2でも紹介した海運の要の国パナマの首都パナマシティで、このようなイベントが開催される。そこにXDC Foundationも参加するという内容です。
ブルームバーグというのはアメリカの巨大経済金融情報誌。日本で言えば「日経」イギリスで言えば「フィナンシャル・タイムズ(FT)」と言ったでしょうか。
何が話し合われるか、今回はボリュームが多いので割愛します。(関連ツイートはこちら)
またこちらで議題が英語で確認できます。
先日はXDC FoundationがFTのスポンサーになっていましたし、今度はアメリカ大陸への進出。今後話題になったら取り上げさせてください。
以上、今回は1つ目は天気予報ノード(PLI)の話題、2つ目はパナマから見える貿易金融変革の話題、3つ目はこのパナマを基点にアメリカ大陸で貿易について話し合う話題を解説しました。
次週も噛み砕いてお伝えできればと思っています。どうぞお付き合いください。(前回の記事もぜひご覧ください↓↓↓)
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